源氏物語絵巻を今ここにその詳細を再現する。(実物原寸大)

木版本   源氏物語絵巻

千年を期にいまよみがえる一大文化プロジェクト

三十九帖  夕霧   絵21.8p×39.5p
三十六帖  柏木   絵21.7p×48.4p
 今日、国宝に指定されてゐる「源氏物語絵巻」は、平安時代後半、十二世
紀前半の製作である。五十四帖の各帖から一図乃至三図が択ぱれ、全百数
十図とそれらに対応する詞書とによって構成され、二十巻に仕立てられて
ゐたと考へられる。
 絵は大和絵の中でも女絵と呼ばれる優雅静寂な画法で、構図下絵・彩色・
文様・描起し整へと工程別に多くの画人が担当した協同作業による"作
り絵"の技法によってゐる。絵の料紙の幅員は現存十九図のうち最大でも
四八・九、最小でも三七・八センチメートルの一紙一図で、長大な絵はなく、い
づれも押し拡げた両手の幅の中に十分収まる横幅であって、手を止めてぢ
っくりと眺め込む静止画像を前提として択ばれた幅員と解される。
 詞書は竪約ニニ・〇、横約二四・Oセンチメートルの正方形に近い料紙を
絵具で染め (具引き)金銀の破り箔・ 切箔・`野毛・砂子を撒き、雲母を引い
たり型押しを用ゐたり下絵を描いたリ結構を尽して整へ、その上に当時
名筆を謳われた貴族たちが筆を運んでゐる
 色紙形であるから短い場合は僅かに一紙、長い場合には八紙にも及
んで自由に書き継いでゐる。書風は五種が確認されてをり、少なくとも五
人以上の書家が共同作業"寄り合ひ書き"で製作したと知られる。
 この「源氏物語絵巻」
は長年の伝來のうちに大半は失なはれ、江戸時
代に僅かに尾張徳川家には三巻、阿波蜂須賀家には一巻の巻物として伝へ
られた。全四巻と云っても既に錯簡が甚だしかったので平安時代の製作
当初の巻子装だったわけではなく、原初の数量の一割程度が遺されてゐ
たに過ぎないと思はれる。
 尾張徳川家第十九代当主だった徳川義親(一八八六ー一九七六)は先祖伝
來の美術品や史料の散逸を憂へ、昭和六年に財団法人徳川黎明会を創
立して一切を寄附し、名古屋に徳川美術館を建設して美術品の保存と公開を計った。
 中でも「源氏物語絵巻」の裸存と普及とには別して惰熱を注ぎ、先づ
原本開繙の回数を減らすとともに現状を伝へ遺すために、当時古画古筆
の模写にあっては第一人者であつた田中親美に、全三巻の精巧な模本の製
作を依頼した。模本は昭和六年に完成したが、1本では広い普及には程遠く、
原本の消耗も避けられない。
徳川義親は原本の保存のために周囲の反対を押し切って決断し、昭和
八年、絵は一図一面、詞は二紙一面に継ぎ目から剥がして切り離し、台紙ど
めにして平箱に収める額面装に改装した。その成功に倣って旧蜂須賀本一
巻も、当時の所藏者益田孝(鈍翁)によって額面装に改装された。この改
装によって巻子装開繙に伴ふ消耗は解消し、たとへ一図だけでも他に影響
を及ぼすことなく鑑賞できる様になり、錯簡も正すことができたが、義親
はさらに多くの人々にこの絵巻を広める普及の策として印刷複製を計画
した。
 当時印刷複製本となれぱコロタイプの単色印刷しかなかったので、昭和
十一年に多色機械印刷複製を試みたが、版型の制約から縮小版となった上、
原本の持つ奥行きの深い重厚感とは程遠い試作品しか得られなかった。
義親は田中親美と諮り、原本に忠実に大和絵の味はひと岩絵具の持つ
風あひとを写し伝へるためには、木版印刷以外にないと決心して、古画
木版複製にかけては当時の第一人者川面義雄に製作を依頼した。川面は
その難題に数年間躊躇したが、漸く説得に応じて昭和十八年二月に着手
した。
 版木の材は全て枯らしこんだ桜材である。木版は色ごとに版木を別々
に作らなければならない。しかも原初一色であった絵具も年月によって様々
に変色してゐるから、原初十色であったとしても、今日の色数はその倍に
も三倍にも上る。かつ剥落箇所は復原せずそのままに写し取る。それ故
に絵{図のために製作される版木は二十枚にも三十枚にも及ぶ。その上
源氏物語絵巻の詞書は、絵にも優るほどの色数を用ゐ、金銀の箔や下絵
を用ゐた華麗な料紙であるから、ほぼ正方形の料紙-枚のために要する
版木も数枚から十数枚に及び、かつ文字は当然別の版木に起こして完成
した料紙の上に刷り込む。絵は徳川本三巻で十五面だが、詞料紙は五十
枚に上る。
 折から第二次大戦の戦局は悪化し、空襲を戯れて版木を抱へた製作スタ
ッフは東京郊外を転々と疎開して歩いた。戦後占領軍によって金銀は統
制されて入手不可能の事態となり、特に係官を製作現場に招いて特配の
許可を得たリ、筆舌には到底尽しきれない苦難をのり超えて昭和二十四年、
徳川本三巻のうち一巻分が完成した。
だが財団・徳川家ともに敗戦によって財源は枯渇し、残る二巻分の製作
は昭和三十年より東束藝術大学の資金を以て再開継続され、昭和三十四
年に完成された。昭和三十六年秋、旧蜂須賀本一巻を所藏してゐた五島
美術館の許可を程、再び徳川家の資金、財団法人徳川黎明会の事業として、
既に八十一歳であった川面義雄は、今や五島本と名を変へた最後の一巻、絵
四図、詞十五枚の木版複製に着手した。
昭和三十八年七月、五島本の最後の仕上げも終り、徳川本着手以来二十
年余の歳月と膨大な資金とを費し、戦中戦後の苦難を克服して、源氏物
語絵巻全四巻木版複製事業は完成した。
その後僅か一ヶ月を経ずして、川面義雄は世を去った。享年八十三歳であった。
 木版印刷はもちろん一人では出來ない。色別に川面が指示する級型に
従って版を起こす彫師、その彫刻にのみ要する鑿だけでも各自が工夫して作
り十数本を用意する。料紙に用ゐる特注の紙を作る紙漉師。その紙を版
木に置いて馬棟で刷る刷師。その馬棟も各自が工夫して作る。
版木の彫刻を担当したのは佐藤壽禄吉・大倉半兵衛・前田鎌太郎・長嶋
道男・岩下佐武郎の五氏。摺を担当したのは荒井鶴吉.村田勝麿・藤井周之助
今井男子・木下初太郎・横山.文次郎・藤原弘の諸氏であり、戦後こ
れらの人達を工房に組織して支へたのが安達豊久氏〔安達版面研究所)である。
木版本源氏物語絵巻は、原本に取材し、川面義雄を指導者として、こ
れらの職人たち"藝術家集団"によって製作された昭和の新たな"木版藝術作品"
である。

本複製は、国宝の「源氏物語絵巻」原本の複製ではなく、
木版本「源氏物語絵巻」
FMスクリーン特色多色刷した復刻版です。
解説
徳川美術館館長
徳川義宣
田中親美
,一八七五〜一九七五(京都生)
明治・大正・昭和初期の日本藝術研究家。
大和絵師の父に絵を、多田親愛に書を
学ぶ
一八九四年(明治二十七)、紫式部日記
絵巻」を初めて模写
以後「源氏物語絵巻」「平家納経」な
どを復元模写、古筆を集めた「月影帖}
など多くの複製本を刊行。
平安朝美術の復元・鑑識'普及に努めた
昭和三十四年、芸術院恩賜賞受賞
川面義雄
木版画家一八八〇〜一九六三(大分生〉
一九〇四年東東美術掌校日本画科
審美書院で着色本版画の制作を行う一
方、名品の復刻模写に携わる
一九四二〜四九、五四〜六三にわたり、
徳川黎明会(源氏物語〉の着彩木版複
製三巻を制作完成
本 紙・・・・・・・・・越前特漉極上鳥の子紙
版 式・・・・・・・・・FMスクリーン特色多色刷 
          およびシルクスクリーン併用  
色 数・・・・・・・・・絵12版13色刷
           詞11版12色刷
解説書・・・・・・・・各画ごとの詳細解説
仕立て・・・・・・・・各葉窓あき台紙貼
           最高級裂貼桐箱付四方帙納め
従来の、網点の大小による濃淡の.再現方法に対して.微細な点の疎密に
より濃淡を再現する方法、,.細かいデイテールや筆文字のかすれ、
,よりなめらかなグラデーションの.再現が可能になりました..
FMスクリーン
内容…絵19画 詞37面

原本 徳川美術館:…絵15面 詞37面
    五島美術館…・絵4面 詞9面
定価・・・・・・・・・・・・・(本体260,000+税)
企画・制作・・・・・・・・・・図書出版 MIZUNO 
              TEL&FAX(075)541-2705
協 力・・・・・・・・・財団法人・徳川美術館

           財団法人・五島美術館
  
撮 影・・・・・・・・林雅夫
復 刻・・・・・・・・株式会社 サンエムカラー
仕立て・・・・・・・・株式会社 芸臺幡
用 紙・・・・・・・・株式会社 滝和紙店
待望の新刊いよいよ発売
図書出版 MIZUNO 京都市中京区堀川通り三条上ル西側 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ TEL&FAX(075)541-2705
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24時間FAX(075)957-2770
*原則としてリンクはフリーですが事前にメールにてご連絡をお願い致します。
ご注文
art@linkweb.or.jp
ご注文は「Eメール・FAX・お電話」
            にてお願い致します。

図書出版  MIZUNO
 
京都市中京区堀川通り三条上ル西側 TEL&FAX(075)841-9223
ご注文につきましては、お客様にご不便をおかけいたしますが
商品が大変高額のため事前に指定の銀行口座への
お振込みをお願いいたしております。

ご質問、お問い合わせにつきましては、お電話のほかに、
メール・FAXなどでご連絡頂きましたら
弊社より折り返しご連絡致します。

*FAXの受付は24時間・・・
お電話は午前11時から午後3時までとなります。

メールでのお問い合わせはこちらへ⇒
図版紹介
定価・・・・・・・・・・・・・¥260,000円 
最高級裂貼桐箱付四方帙納め
公共図書館・学校生協書籍ご担当者様各種ご相談を承ります。


協力 財団法人・徳川黎明会  
       財団法人・五島美術館  
 
*ご希望の書店様をご指定いただきましたら即日発送いたします。

上記ご注文の際、書店様の取次ぎ様帳合をご存知の場合はご連絡をお願いいたします。
お問い合わせご質問は下記へご連絡をお願い致します。

図書出版 MIZUNO                TEL&FAX(075)541-2705
著作権転用転載禁止                 最終更新日平成16年1月21日
*平安仮名の最高のお手本としてご利用いただいております。
NEWS* 週間読書人 田辺聖子先生の記事と共に新年特大号に紹介されました!
田辺聖子先生からご紹介されました週間読書人新年号・パンフレット
などをご希望のお客様はメールにてご連絡くださいませ

art@linkweb.or.jp